再現作品
- ホーム
- 再現作品
金沢美大入試問題 再現作品集
2025年度 金沢美術工芸大学入試問題再現作品集
今年度、金沢美術工芸大学入試 合格者の方々より、これから金沢美大を受験する皆様への
アドバイスや、メッセージと 今年度入試問題の再現作品をいただきました。
出題の文章・モチーフ名などは、受験生の記憶によるものもあり、詳細については多少異なる処があるかと思いますがご了承ください。
合格者の氏名、写真、コメントをいただいた作品 、匿名希望の方 、又 合格者の都合で再現作品を完成できずに、 エスキースをもとに 講師が仕上げた作品も含まれています。
金沢美術工芸大学 ホリスティックデザイン

徐 伊琳
(兵庫県立芦屋国際中等教育学校・出身)
愛知県立芸術大学 デザイン専攻合格
成安造形大学情報デザイン特待生合格
「 継続は最高やで。 」
私は兵庫県から引っ越してきて、一年間金沢で浪人生活を送りました。
画塾には極力休まず来ること、講評ノートを取って必ず分析すること、すべての作品は納得がいくように、その日のうちにちゃんと着地させるようにすること。この三つを守るようにしていました。
体調管理は健康的な献立と、十分な睡眠時間を徹底していました。精神も健康的になるし、体調不良で授業を休むこともありません。
休日は学科の勉強をしつつ、思いっきりリフレッシュしましょう!腕がなまるのが怖かったので、クロッキーだけは必ずしていましたが、勉強のノルマを達成した後はとことん好きなことだけをやっていました。
それから実技も学科も苦手は作らないでください。私は立体が苦手だったので、自分なりに色々研究したりして、最低でも平均レベルになるように鍛えました。苦手を本番までに克服したことで、落ち着いて挑むことができたので、弱点は潰したほうがいいです。
一貫して伝えたいことは、毎日の地道な努力は決して裏切らないということです。自分に厳しいほうが後悔しません。毎日ちゃんとやってきた努力は自信になるので、本番にも余裕をもって挑めます。
受験って本当に心折れるし大変だけれど、自分に厳しく過ごし、楽しんでやるっていう気持ちで頑張ってクリアしてください。皆さん頑張って!継続は最高やで!
-
実技試験(デッサン)
自身の手、与えられた手袋とハンドタオルを自由に構成して、奥行きを感じさせる描写をしなさい。試験時間4時間
-
実技試験(色彩構成)
「自然」と「都市」から発想を広げ、色彩構成をしなさい。画面内に、正三角形を効果的に配置すること(正三角形は、単数でも複数でも可。作品のタイトルと意図を説明用紙に100字以内で記入しなさい。)
試験時間3時間30分
-
実技試験(立体構成)
テーマ「纏う(まとう)」与えられた材料「アルミホイル」と「紙ストロー」、「ケント紙」を用いて「纏う」をテーマに立体を構成しなさい。(作品のタイトルと意図を説明用紙に100字以内で記入しなさい。)
試験時間3時間30分
金沢美術工芸大学 ホリスティックデザイン

盛戸 陽菜
(石川県立七尾高等学校・出身)
富山大学芸術文化学部合格
「 スキ 時々 キライ! 」
私は高校2年の春から金美アトリエに通い、1年の浪人を経て金沢美術工芸大学に合格しました。
これから受験する皆さんには自分の「好き」を大切にして欲しいと伝えたいです。
浪人生になって間もないころ、私は大学説明会に出席しました。そこで大学の先生方から自分が「好き」と思うものを追求してくださいというように話されました。しかし私はその時まだそのことを理解できませんでした。きっと受験はどこかに傾向と対策がある。もっと効率的に機械的に上達するやり方があるはず!そう考えていました。でもこの一年間やってきて気づいたことは近道などないということです。自分が弱さと向き合いながら、時に希望を持ったりして先が見えないトンネルのような道を歩くしかないのです。結局私は傾向も対策も見つけられず「好き時々嫌い」の繰り返しでした。だから皆さんには自分の中の「好き」を是非早く見つけてもらいたいです。好きだからこそ大嫌いになる瞬間もあるはずです。でもどうか自分の中に眠る「好き」の気持ちをたたき起こし続けてください。きっとこの『スキ時々キライ』が皆さんを助けてくれます。
最後に長い間ご指導いただいた先生方、一緒に闘ってくれた友人たち、本当にありがとうございました。
金沢美術工芸大学 ホリスティックデザイン

吉田 衣織
(石川県立金沢泉丘高等学校・出身)
「 普段通りでいるために 」
美術大学受験において最も必要なものは何でしょうか。問題文を読み解く力、単純に表現能力など人によってそれぞれ違うと思いますが、私にとっては「心の余裕」が一番大切なものでした。受験する際、普段通りを徹底するということが主だと思います。そのために私たちは画塾へ通って”普段通り“のレベルを高めています。しかし精神的に不安定な状態では普段通りに行動することがなかなか難しくなってしまいます。最近うまくいかないな、良いアイデアが出てこないなと感じる時、何か重苦しいストレスが溜まっているような気がしませんか。受験を控えているのですからストレスは常にあって当然ですよね。でもどうしても苦しくてしょうがない時、本屋さんだとか海だとかショッピングモールなど好きな場所に行ってみたら案外心の疲れが取れるような感覚になると思います。私はこれらのような「自分の心の逃げ場」を作るべきだと思っています。受験が終わった後でも心の逃げ場はこれからの人生を何度も救ってくれるとも思っています。受験本番に普段通りでいられるように自分を信じられるように、心の余裕をたっぷり持ってほしいなあと思います。
改めて3年間という長い期間教えてくださった先生方ありがとうございました。
金沢美術工芸大学 ホリスティックデザイン

忠田 優美
(星稜高等学校・出身)
「 努力と視野を広げよう 」
金美アトリエに通っている皆さんや、これから入る方々に私が一番伝えたい事は、沢山の人の話を聞き、様々なものを見て欲しいということです。美大受験は常に自分との戦いで、何が正解なのか、自分はどうすればよいのかが段々わからなくなってきます。そんな時に自分以外の世界を取り入れる事は、自分を見直すきっかけとなります。先輩後輩に関わらず、自分が良いと思う作品の描き方やアイデアなどを積極的に受け入れることはとても大切です。実際、私は二つ年下の後輩からデッサンのコツを感じ取り一緒に描くことで自分だけで考えるより何倍も学ぶことが出来ました。
又金沢美大での展示会や美術の資料がたくさんある図書館利用や文化祭・オープンキャンパスへの参加なども、学ぶことが多く受験生にとり大事なことと思っています。受験までの日々は苦しみの連続ですが、ひたむきにやりたい事のための努力を重ねて、大きな視野をもつこと忘れないでください。
皆さんが明るい春を迎えられることを願っています。