再現作品

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金沢美大入試問題 再現作品集

■金沢美術工芸大学  芸術学

「人物写真Ⅽ」 島村 遼太郎    
(石川県立金沢泉丘高校出身)

“自分はデッサンで受験いたしました“

自分は高3の春から、金美アトリエに入って、少し遅めのスタートを切りました。

デザインや油画を目指すなら、高1,高2の時点で入った方が 絶対にいいと思いますが、芸術学志望なら、センター入試 (来年からは、大学入学共通テスト)=学科、の配点が、美大の実技試験の配点より高いので、高3から始めても 間に合うと思います。 
その代わり、学科の勉強を十分にしておいてください。

芸術学の入試は、「実技=デッサン」と「小論文」のどちらか選択ということです。

自分はデッサンで受験したのですが、受験の時は なんとなく小論文で受けている人が多いような印象でした。  
しかし、自分としては やっぱり 「デッサン」での受験をお勧めしたいと思います。 
絵を描くことが好きな人には、描けば描くだけ、上達するのが目に見えてはっきりとわかり、それが自信につながってくると思います。

  • ■実技試験 : 石膏像( フレンチ胸像 )をデッサンしなさい。


実技試験 : デッサン ■小論文A

森松 明日香 
 (石川県立金沢泉丘高校出身)

次に掲げる文章は、郡司ペギオ幸夫による『天然知能』(2019年)からの抜粋です。

これを読んで、内容を二百字程度に要約しなさい。また、筆者の主張に対して、自分の意見を四百字程度で

述べなさい。(問題文割愛)


実技試験 : デッサン ■小論文B

森松 明日香  
(石川県立金沢泉丘高校出身)

配布された作品の図版を見て、何がどのように描かれているかに留意しながら

八百字程度で解説しなさい。

  • 小論文Bの配布写真

    カラフルなレンガが積まれて出来た壁がある。壁には窓のように白い縁がいくつかあり、三分の二ほど濃い青のガラスのようなものが白い縁の下部分から見えている。壁のない上部分や白い縁の向こうには雲一つない青空が続いている。窓の向こうの一部分や壁の近くの地面には草木が生えており、地面の白い砂の上には瓶が落ちている。

    この絵は、空の色やガラスの色など青色が多い。また、砂にも少し青色がつかわれているため全体的に青が多く静かな印象を受けた。また、青が多いと言っても青一色で構成されている訳ではない。先に書いたように壁はカラフルなレンガが積まれ、植物が生えている。レンガはカラフルではあるが緑系統の色が多く穏やかな雰囲気があるように見える。様々な色を使っているが青や緑など近い色が多いのでまとまっている。

    画面には壁やレンガが、窓枠など真っすぐで平行な線が多く安定感がある。その安定感が穏やかな雰囲気を作る一部となっているのではないだろうか。また、この絵には一部分だけ他とタッチが違うものがある。砂の上に転がっている瓶だ。捨てられたようにも見えるその瓶はレンガや植物など他と比べるとはっきり描かれている。光の加減や瓶の底の厚さまで詳細であるため、絵の中では小さなモチーフなのにもかかわらず奇妙な存在感がある。ひとつ瓶が転がっているだけではあるが、それだけで寂しさに似た静かさが生まれているように思う。レンガに落書きか汚れのようなものがあるのも寂れた感じが出ている。

    色使いや画面の構成、細かい描写などが合わさり、静かで穏やかな印象となっていると思う。また、よく見てみなければ分からないレンガの落書きなどによって静かさの中に寂しさのような感情を覚えた。


2019年度 再現作品


金沢美術工芸大学  視覚デザイン

石井 美優

(石川県立金沢泉丘高校出身)

“合格までを振り返って……”

 私は3回目の受験でようやく合格を掴むことが出来ました。2度の不合格の経験から私が学んだことをここに書いていきたいと思います。

 まず、能動的に自ら学ぼうとすることです。インターネットや本、展示などで積極的に作品を鑑賞し、常に自分の引き出しを豊かにするよう努めて下さい。デッサンでも色彩でも「こういう絵が描きたい!」という具体的な目標や参考作品があることで上達が早くなります。

 また、アトリエで絵を描くときは1枚1枚課題意識を持ち、描き終わった後はここが良かった、またはいまいちだった、だから次はこうしようと具体的に反省を行うことが大切です。

 次に、色彩構成は自分の好きなもの、伝えたいことを一番かっこよく相手に伝わる絵作りが重要です。現役生のころ、私は先生に褒められる絵が合格する絵なのだと思ってそればかりに一生懸命になっていて、アイデアも手っ取り早く絵にできるものばかり選んでいましたが、そのような主体性のない絵は入試では評価されませんでした。

浪人1年目では、自分の好きな物や伝えたいものを見つけられず、ずっとくすぶっていましたが2浪目でようやくそれがつかめてきて、楽しんで絵が描けるようになりました。自分の好きなものを伝えるための絵だから、描いていて楽しいしモチベーションも上がりました。そして、枚数を重ねるうちに講師の美大生や先生から「あなたの絵は目がきれいなのが特徴」「明るくて楽しい雰囲気が特徴」と言ってもらえるようになりました。

入試では個性を見るとよく言われていたので、私も自分の個性が欲しくていろいろ試していましたが、個性は獲得しようと思って得るものではなくて、好きなもの、伝えたいことを突きつめて描いていくと自ずとついてくるものだと気付きました。最初の内容と被りますが、そのような絵を描くためには、いろんな作品を見て吸収・分解し、自分のものにしていくことが大事です。

また、エスキースの段階でアイデアを決めたら構図をとにかく練ってください。初心者はアイデアと構図を考えることを混同してしまい、充分構図を考えず下書きに入ってしまう人が多いです。私は入試本番でも10個エスキースを描きました。(そんなに描かなくても上手な人は上手ですが……)一番かっこ良くて明確で伝わる構図が出来るまでとことん案を出してください。

 長くなりましたが、一つ一つの課題を目的意識を持って取り組むこと、描いた後にきちんと反省すること、たくさんの人の作品を見て自分の引き出しを増やしておくこと、かっこいい構図を作ることに妥協しないことを心掛けることで私は合格を掴むことが出来ました。私の経験が誰かの役に立てれば幸いです。

 

  • デッサン作品

    ■1次:デッサン

    自分の「手」に配布された「CD—Rディスク」と、想像で「卵」を加えて、デッサンしなさい。

  • 色彩構成作品

    タイトル:私はケッチャップ派!

    ■2次:色彩構成 

    「おいしい卵料理」というテーマで色彩構成をしなさい。作品にはタイトルをつけること。


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